精神分析
クトゥルフ神話TRPGと言うものがある。
端的に言えばサイコロと鉛筆を使った人力ロールプレイングゲームなのだが、このプレイヤーキャラクターのステータスに正気度というものがある。
SAN値とも呼ばれるこれはPLにとって何か衝撃的な出来事が起きたときに減少する。そして、一度に多くのSAN値を失う(俗に言うSAN値直葬)かSAN値が一定値をしたまわると発狂する。そのSAN値を回復させる、狂気を治すのが精神分析だ。
治療でも、回復でもなく分析。なぜ分析という単語が当てられたのだろうか?
今日は先日私がSAN値直葬したときの話をしよう。まず、母が倒れた。結局コロナでも何でもなかったがそのときは陰性と言うことがわかっておらず私は非常に不安な状態であった。既に成人しているのにも関わらず、私はなかなかに母に精神面で依存していたものだからもう大変であった。大学生なんてそんなものである。んで、卒業する先輩へのメッセージカードを書けという連絡が来て(当たり前)。やめときゃいいのに二次創作で地雷を踏み。単位のためのレポートを見落として(17点)。ここで壊れた。レポートしなくてはならないのにスマホから手を話せなくなったのである。
さて、ここで私がどうしたかと言うと、レポート書き進めつつ地雷話を斜め読みした。経験上、ここで逃げれば動けなくなると知っていたからだ。
ここで、メンタルにダメージを負ってひとつのことが気になって眠れないときの対処法の話をしよう
まず、おなかいっぱいになるまで食べること。チーズでもチョコレートでもなんでもいい。とにかく食べること。好きな物をもう吐くと言うくらい食べれば少なくともおなかは冷えないし少しづつ手足や頭が回り出す。私の推しはマシュマロココアだ。ぽっかぽかのを飲むのがいい。
ひとつのことが壊れたレコードのように頭のなかで繰り返されるときはだいたい体の調子が悪い。生理の一週間前位は特に要注意。息を吸って吐いて時計の針を進めよう。周りは案外よく見ているようでよく見ていない。わざわざ言わない。言われなければないのと一緒。
応急手当に成功したら物語を読み返して地雷の何が地雷だったのかが分かれば自然とどうでも良くなっていく。こうなれば普通に眠れる。
精神とは不思議なもので、傷つけたものに向き合い乗り越えなければいけないのである。今回の地雷は主人公が自分が悪いのに謝らずぶーたれていたことであった。これに気がついたとき、壊れたレコードは治ってまた素敵な物語の続きをかなでだした。ごめんなさい、と被害者にしおらしく謝ることで私の精神は鬱々しい未来を辿る主人公から分岐して現実へと帰還した。
まあ要するになぜを突き詰めるというリアル精神分析をして正気度を回復した経験から精神分析という言葉の秀逸さに感心したと言う話である。